出生前検査について

当院は2024年4月より、NIPT(新型出生前検査)実施施設として認証登録されています

はじめに〜出生前検査とは〜

出生前検査とは、赤ちゃんが産まれる前に生まれつきの病気がないかどうかを調べる検査のことをいいます。通常の妊婦健診で行う検査とは異なり、全ての人が受ける検査ではありませんが、昨今は少子化の進行と出産年齢の高年齢化に伴い、出生前検査への関心は高まっています。

出産年齢の高齢化に伴い、染色体疾患の頻度は増加

出生前検査を受けることで、赤ちゃんの状態や疾患等の有無をあらかじめ知ることができ、生まれてくる赤ちゃんの状態に合わせた最適な分娩方法や療育環境を検討することができます。
一方で、予期せぬ結果を受け、妊娠を継続するかどうか悩む方も沢山いらっしゃいます。検査をすること自体がよいことなのかどうかは、人によって考え方が異なります。
そこで大切なのが、「遺伝カウンセリング」です。経験豊富な医師が、直接検査前後のカウンセリングを行い、それぞれのご家族に寄り添った丁寧な説明、フォローを心がけております。検査をしようか迷っている方は、まずはカウンセリングのみの受診も可能です。

出生前検査の種類と特徴

出生前検査には、超音波を使った画像の検査と、染色体疾患に対する検査があります。
染色体疾患に関する検査はたくさんの種類がありますが、大きく分けると「非確定的検査(それだけでは診断がつかない検査)」と「確定的検査(それだけで診断が確定する検査)」があります。

●コンバインド検査

超音波検査と、妊婦さんから採取した血液を用いて行う血清マーカー検査の2つを組み合わせて調べる検査です。超音波検査では、NT(nuchal translucency)と呼ばれる、赤ちゃんの首の後ろのむくみを測定します。

●母体血清マーカー検査

妊婦さんの血液中に含まれる赤ちゃんや胎盤由来の4 つのタンパク質(4つの血清マーカー)を解析します。それにより、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、開放性神経管奇形の可能性を調べることができます。

●絨毛検査

絨毛とは妊娠早期の胎盤の一部で、それを採取するのが絨毛検査です。21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、13トリソミーのほか、性染色の病気などさまざまな染色体の病気についての可能性を調べることができます。

●羊水検査

羊水中に浮遊している赤ちゃんのからだからはがれ落ちた細胞を培養して、染色体を調べる検査です。21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、13トリソミーのほか、性染色の病気などさまざまな染色体の病気についての可能性を調べることができます。

NIPT(新型出生前検査)について

NIPTは2010年に米国で開発された新しい検査です。妊娠9~10週以降に、妊婦さんから10~20mlの血液を採取して、血液中に浮かんでいるDNAの断片(cfDNA)を分析します。 検査対象となる染色体疾患は、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、13トリソミーの3つで、これら3つを合計すると、胎児の染色体疾患の約7割に相当します。

NIPTの特徴

  • 従来の非確定検査と比べ精度が高く、赤ちゃんの染色体疾患をより正確に発見することができます。
  • 採血のみで検査ができるため、流産・死産のリスクがありません。
  • 妊娠周期の早い時期に検査が可能です。赤ちゃんの状態を早く知りたいと思う妊婦さんにとっては、よりよい選択肢となります。
  • この検査では診断を確定できません。陽性判定の場合は、診断を確定するための羊水検査や絨毛検査を受ける必要があります。

当院は、日本医学会の出生前検査認定制度等運営医委員会から認証登録されたNIPT実施施設(連携施設)です。どうぞ安心してご相談ください。

認証医療機関(基幹施設・連携施設)一覧

当院の遺伝カウンセリングについて

出生前検査についての正確な情報を正しく理解し、一人ひとりが納得できる選択をするためのお手伝いをするのが、遺伝カウンセリングです。

  • 「出生前検査」にはどんな種類があるの?
  • 検査はどの程度正確なの?
  • 年齢的に受けた方がいいかしら?
  • 検査で陽性だったらどうすればいいの…

そもそも、「出生前検査」を受けるかどうか迷う方がほとんどです。まずは、不安なこと、悩んでいることをお聞かせください。経験豊富な医師が一人ひとりに寄り添い、一緒に問題点を整理し、納得できる選択をするためのお手伝いをいたします。遺伝カウンセリングは妊婦さんやそのパートナーのお気持ちを大切にする場ですので、安心してお気軽にご相談ください。 検査を受けても、受けなくても、ご家族の意思決定を最大限に尊重します。 ひとりで悩まず、なんでも相談してください。

インターネット上には出生前検査についてたくさんの情報があふれています。
中には間違った情報もありますので、認証医療機関等で相談されることをおすすめします。

カウンセリングから診察・検査まで多久島院長が担当します

当院で長年妊産婦さんを診察してきた多久島院長は、英国FMFが認定する胎児エコーの国際資格(FMF certificate ※)を取得しており、胎児のNT検査のスペシャリストとして活躍中です。
また、遺伝学的な知識や技能向上を目的とした「日本産科婦人科遺伝診療学会認定制度」の認定も受けていますので、NIPT(新型出生前検査)を含め、どのような悩みであっても安心してご相談いただけます。

※日本での認定施術者は275名(2024年3月時点)FMF認定施術者一覧

出生前診断の受診の流れ

1.ご予約

当院にご通院中の方
妊婦健診時に検査希望の意思をお伝えください。
まずは遺伝カウンセリングを受けていただく日程を設定します。

他院にご通院中の方
主治医に検査の希望をお伝えいただき、紹介状をご用意いただいたうえで、当院に一度お電話ください。
今後の受診予約をお取りいたします。

2.医師による遺伝カウンセリングを実施

担当医師によるカウンセリングを実施します。(完全予約制/火・木曜日の午後に実施)
分からないこと、不安なことをしっかりと聞き取り、今後の検査方法を一緒に考えましょう。

3.検査(採血、エコー)の実施

4.検査会社へ検体を輸送

提携している検査機関にて検査を実施します。結果の通知までは約1〜2週間かかります。

5.結果の通知とカウンセリング

検査結果を医師から直接ご説明します。
陽性だった場合、結果に関する詳しい説明やその後の対応についても丁寧にご説明します。

費用について

カウンセリング

¥5,500(税込)

NIPT

¥99,000 (税込)

コンバインド検査

¥33,000(税込)

母体血清マーカー検査

¥22,000 (税込)

羊水検査

¥110,000(税込)

※出生前検査は保険適応外の自費検査となります